福岡市の専用劇場を拠点に活動するAKB48の姉妹グループ・HKT48のデビュー元年を、メンバーとともに振り返る、全3回連載企画。最終回に登場するのは、チームHキャプテン・穴井千尋(16)だ。HKT48のまとめ役である彼女に、2期生のデビューと、これからの活動、目標について聞いた。 (古川泰裕)
-2期生の募集開始を聞いたとき、どんな気持ちでしたか
「ついに後輩ができるのかと。つい最近自分たちがデビューしたばかりだったような気がして、楽しみではあったんですけど、複雑な気持ちもありました」
-複雑な気持ちというのは
「これまで1期生だけでやってきたので…。もう1期生だけでやっていくことはないし、負けていられないっていう気持ちでした」
-2期生の印象はどうでしたか
「レッスンとかも見せてもらったんですけど、自分たちもやってきたことをやっていたので、懐かしい気持ちになりました」
-初めて「追われる立場」になった
「これまでずっと1期生、チームHが公演をやってきてたんですけど、研究生公演が始まって、毎日できなくなって…毎日やれてたことって、幸せなんだって。後ろから追い掛けられる感覚も、今まではメンバーによって差があったんですけど、2期生の頑張りも必死さも見てるから、みんな負けられないって言ってます」
-「負けたくない」というのは
「ダンス、歌、表現力、メディア出演もそうだし…。1期も2期も、仲間だけどライバルには変わりないから、ここまで積み重ねてきた分を『越される』のはいやです」
-キャプテンという全体をまとめる立場としてはどうですか
「楽屋の使い方とか、基本的なルールは教えます。けど、2期生の中にもまとめる子や注意する子もいるし(研究生公演のメンバーに)今田美奈ちゃんもいて、まとめるのもできてると思うし、全体をまとめるっていうので悩んだりはしないですね」
-今田さんや2期生のまとめ役の子にアドバイスなどはするんですか
「この間、今田美奈ちゃんに『まとめるのって、こんなに大変だったんだね』って言われました(笑)。それぞれみんな性格が違うし、言っても直るものではないから、『言うだけ言って聞かないものはしょうがない』っていう話はしました」
-生活態度のことを注意することが多いみたいですね
「そうですね。あと、公演のリハーサルとかでは、ダンスの得意なメンバーと、お互いに振り付けをチェックし合ったり、半分に分かれて見合ったりしてます」
-1期生と2期生、メンバー総数は合わせて39人になりました。可能性も広がったのでは
「例えば1期と2期が一緒に公演するのも楽しそうだし、MC(公演のトークコーナー)を一緒にやるのも面白いなと思います」
-後輩ができたことで、いい相乗効果もあると思いますが
「1期は1期で『手をつなぎながら』公演を大事にして負けられないっていう気持ちもあるし、2期は2期で『追いつきたい』っていうガツガツさを感じます。研究生公演の『パーティーが始まるよ』を見ても、すごいなと思います。『手をつなぎながら』公演もパワフルな曲が多いし、年齢もそんなに違わないんですけど、やっぱり初々しさとか、一生懸命さがあっていいなと思います」
-2期生の『必死さ』は、1期生にとっても見習いたいところなんでしょうか
「一生懸命やることは入った時期は関係なく誰にでもできることだと思うから、1期生は『一生懸命』は大前提で、見せ方とか表現力をもっと深く磨いていったほうがいいと思います」
-CDデビューなどで、39人の中から選抜されることもある
「みんな選抜に残りたい気持ちはあると思うけど、気持ちだけではうまくいかないから、人に見えないところで努力するとか、そういうことをしないといけないと思います」
-振り返ってみて、この一年はどんな一年でしたか
「先輩方のステージに出させてもらったり、さいたまスーパーアリーナだったり、東京ドームだったり、紅白歌合戦だったり、いろいろなメディアにも出たし…。いろいろありすぎて、すべてが変わりました。ここまでこられるとは思ってなかった。キャプテンっていう立場もやらせてもらって…。『まさか』な一年でしたね」
-キャプテンとして振り返ると?
「よく人に言われるのが、一歩引いて見すぎたなぁと。半年やって気付いたんですけど。村重(杏奈)みたいに、とは言いませんけど、もうちょっと自分も前に出たらよかったかなって思います。来年は、もっと前に出て、もっと目立てるように頑張りたいです」
-挑戦してみたいことはありますか
「ファンの人がよく『早くCDデビューして、福岡で握手会できたらいいね』言ってくださるので、ファンの人の思いに応えるためにも、今やっていることを頑張っていきたいです」
=2012/11/18付 西日本スポーツ=
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